高知地方裁判所 昭和46年(わ)469号 判決 1976年2月09日
本店所在地
高知市神田一、一四七番地
株式会社山崎技研
代表取締役
山崎圭次
本籍
高知市上町五丁目九四番地
住居
同市同町五丁目五番一五号
会社役員
山崎圭次
明治四五年五月一九日生
本籍
高知市西弘小路三九番地
住居
同市旭天神町一二三番地
会社役員
胎中直明
大正一〇年七月四日生
右三名に対する法人税法違反被告事件につき当裁判所は検察官和田英一出席の上審理し次の通り判決する。
主文
被告人株式会社山崎技研を罰金七〇〇万円に、被告人山崎圭次を懲役六月に、被告人胎中直明を懲役四月に各処する。被告人山崎圭次、同胎中直明につき本裁判確定の日からそれぞれ三年間右刑の執行を猶予する。
事実
(罪となるべき事実)
被告人株式会社山崎技研は高知市神田一、一四七番地に本店を置き工作機械等の製造販売を業とするもの、被告人山崎圭次は同会社の代表取締役として同会社の業務全般を統括するもの、被告人胎中直明は同会社の取締役として同会社の経理および営業の業務を担当するものであるが、被告人山崎、同胎中は被告会社の業務に関し、法人税を不正に免れようと企て、共謀のうえ、
第一 昭和四三年四月一日から昭和四四年三月三一日までの事業年度における被告会社の実際の所得金額は八三四四万九一二九円、これに対する法人税額は二八七八万三七〇〇円であるにかかわらず、売上収入の一部を正規の帳簿に記載せず、右売上除外によつて得た資金を簿外の仮名および無記名の預金口座に預入するなどして所得の一部を秘匿したうえ、同年五月三〇日所轄の高知税務署において、同署長に対し、所得金額が三八九七万七五八六円、これに対する法人税額が一三二二万一四〇〇円である旨虚偽過少の金額を記載した法人税確定申告書を提出し、もつて不正の行為により 事業年度における法人税一五五六万二三〇〇円を免れ
第二 昭和四四年四月一日から昭和四五年三月三一日までの事業年度における被告会社の実際の所得金額は一五三三六万五七二九円、これに対する法人税額は五三二五万三一〇〇円であるにかかわらず、前同様の方法により所得の一部を秘匿したうえ、同年五月三〇日前記高知税務署において、同署長に対し、所得金額が九八九二万九五三六円、これに対する法人税額が三四二〇万一三〇〇円である旨虚偽過少の金額を記載した法人税確定申告書を提出し、もつて不正の行為により同事業年度における法人税一九〇五万一八〇〇円を免れ
たものである。
(証拠の標目)
一、宝金祐吉作成の「株式会社山崎技研に関する取引について」と題する書面
一、後藤茂、西本靖(二通)、杉野尚一、高田善史、増田弘文(三通)、稲井健三、藤城安雄、坂口昭是、亀川浩太郎(三通)、喜多賢治、森一、千野恵教、平井宣夫、八木昭三郎(二通)、福田徳人、(二通)、中司司郎(二通)、今井時政、矢田次郎(二通)、山崎圭次作成の各証明書
一、下村博一(四通)、向井敏作成の各確認書
一、佐藤信良、石橋芳造、北村繁雄作成の各上申書
一、池浦不二郎作成の「株式会社山崎技研支払明細」と題する書面
一、辻輝茂、吉田造作成の各買掛元帳写
一、藤城安雄作成の普通預金元帳謄本
一、坂口昭是作成の照会表
一、広藤武昭の大蔵事務官に対する供述書
一、浜田緑、浜田光恵の大蔵事務官に対する供述書
一、近安要、土田太一、橋本長正(二通)、吉本恵子、上田裕一郎、 山義久の大蔵事務官に対する各質問てん末書
一、大蔵事務官、田中清隆作成の査察官調書
一、大蔵事務官作成の銀行調査書、除外利益調査書、脱税額計算書(二通)
一、高知税務署長泉秀吉作成の証明書(四通)
一、 山義久の検察官に対する供述調書
一、登記官前野秀雄作成の登記簿謄本
一、押収に係る仕入帳(昭和四三年度大阪営業所)一冊(昭和四七年押第三号の一)、一般仕入帳(昭和四三年度)一冊(同号の二)、仕入日記帳(昭和四三年度)三冊(同号の三)、売上帳(昭和四三年度)一冊(同号の四)、売上帳(昭和四三年度大阪営業所)一冊(同号の五)、売上日記帳(昭和四三年度)一冊(同号の六)元帳(昭和四三年度大阪営業所)一冊(同号の七)、銀行帳(昭和四三年度大阪営業所)一冊(同号の八)、外註加工帳(昭和四三年度)一冊(同号の九)、補助元帳(昭和四三年度)一冊(同号の一〇)、得意先カード一枚(同号の一一)、収支計算表一枚(同号の一二)、仕入日記帳(昭和四四年度)三冊(同号の一三)、仕入帳(昭和四四年度)一冊(同号の一四)、一般仕入帳(昭和四四年度)一冊(同号の一五)、売上帳(昭和四四年度)一冊(同号の一六)、売上日記帳(昭和四四年度)一冊(同号の一七)、外註加工帳(昭和四四年度)一冊(同号の一八)、貯金元帳(中村信三名義)一枚(同号の一九)、貯金元帳(徳弘太三名義)一枚(同号の二〇)、貯金元帳(山崎圭次名義)一枚(同号の二一)、貯金元帳(中村始名義)一枚(同号の二二)、納品証明書二枚(同号の二三)。
一、被告人の大蔵事務官に対する質問てん末書(四通)、上申書、検察官に対する供述調書(二通)及び当公判廷における供述
一、被告人胎中直明の大蔵事務官に対する質問てん末書(三通)、検察官に対する供述調書(二通)及び当公判廷における供述
(法令の適用)
一、被告人株式会社山崎技研につき
(事実)法人税法一六四条一項、一五九条一項二項
(併合加重)刑法四五条前段、四八条二項
一、被告人山崎圭次、同胎中直明につき
(事実)法人税法一五九条一項、刑法六〇条
(刑種の選択)各懲役刑
(併合加重)刑法四五条前段、四七条本文、一〇条(第二につき加重)
(執行猶予)刑法二五条一項
(裁判官 板坂彰)